まわるホイ-ル
自転車の銀色のホイ-ルがまわる
金色の炎を上げて
地面を焦がし
砂煙をあげて
カラカラと
子どもたちが群がって後を追う
炎天下の公園で
運命の渦に
意志も自由も愛もまきこんで
林立するマンションのはざまで
喚声に後押しされて
地面に接地するところから
くりかえしくりかえし
上昇し
そして下降する
まるで誕生と死を目の当たりするように
やがてエネルギ-は消滅する
ホイ-ルのへこみやでっぱりが見える
黒い傷跡さえ見える
大きく回り込み
地面をたたき
跳ね返り
点を刻みながら
ながく稜線となって
行き来する
子どもたちはふと立ち止まる
口を閉ざし目を見開く
カラカラカラカラと
すぐ間近で
性急に
沈黙の午後に鳴り響く
ホイ-ルの音に
胸をかき乱されて
子どもたちのひとりが
額の汗をぬぐうふりをして
視線を空に向ける
まつげに引っかかった
汗の玉を透かして
雲ひとつない青みのかなたに
ギザギザの葉の茂みが
虚無をかたどっている

この記事へのコメント
なんて奇麗な文章でしょう。
私は感性が豊かな人大好きです。
又、遊びにきます
コメント、ありがとうございます。
勇気をいただきました。