バスのなかで
バスの窓のそと
小雨が降りつづき
灰色一色の空には濁点が
ショ-ウィンドウや道行くひとには半濁点が
数えきれないほど張りついて
ときどき
寄り集まって
耐えきれなくて涙になってながれるのです
だから
おもわずついたため息は
かすかにくもって
バ-になったり
パ-になったりするのです
赤ちゃんをあやすことも
子どもをからかうこともないけれど
マフラ-にあごを埋めて
濡れたカサに濡れた手袋をはめなおして
足の間の濡れたビニ-ル袋を置きかえて
ドアが開くたびに入ってくる冷たい風に身震いして
わたしは
あしたに思いをはせます
あしたで一年が終わる
バ-になってもパ-になってもかまわない
道をちょっと踏み外してみよう
電車に乗って乗り換えて
また乗り換えて
地方競馬の最終日に
さあ
つぎ降りますのボタンを押します
バスが止まります
わたしはぬくもりを逃がさないように身構えて
濡れた通路を出口にむかいます
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