べい
あっかんべい
片目のしたを指でおしてひろげて
赤目をだしてにらみつけて
おまえになんか
べいべいしていられるもんか
くるりとまわって
黒べいにそって
さあさ行くべい
心には
今にも雨が降ってきそうな暗い雲がかかってきたけど
ぼく
へい気のへい左衛門
家に帰って
せんべい
じゃなくてこんなときだからこそ
ちょっとカッコつけて
べいせんでも
食べるべい
べい寿のおじいちゃんが笑って出迎えてくれて
ヘイヘイ
ベイビィ-
元気がないぞ
おじいちゃんは平べいという名前で
ベ-ジュのジャ-ジがお気に入り
おどけた声をだすので
ぼく
つい
雨雲がおいはらわれて
ケンちゃんと口げんかしたことを隠ぺいしていられなくなる
心ぺいなんていらねえよ
すぐ仲良し小道だ
どちらかがよけねえと
どうしても通れない道があるべい
そこで
目を合わせたら
いたたまれなくなって
自分はどうしたいか
素直に按べいすれば
つい
にっこり笑ってしまうもんだ
へえ
そうなんだ
心が軽くなった
青空がひろがって
どう按べいするか考えをめぐらしていたら
おじいちゃんがずっとまえに
ぼくに教えてくれたことを思いだした
何とすべい、行くべいなどと云
べいの詞は源氏物語、枕草子、其他古書にあり、
今も田舎にはべいと云詞あり、
べいはべき也、可の字也、
キとイ五音通ずる故、
べきと云事をべいと云也、
江戸の人々、田舎者のべいと云詞を笑ふは非也、
(貞丈雑記十五)
もちろんあとで
そのわけを
わかるべいわかるべいと
くりかえして
へい易に教えてくれたので
ぼくはそのときも
へえ
そうなんだと何度もうなずいた
そうだ
ケンちゃんにもこの話をきかせてみよう
このべいべいことばの由来を
ケンちゃんはいつだってまっすぐだから
きっと
わかってくれる
きっと
ぼくの手を握ってくれる
べい
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