走る子

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子どもがジョギングしてる
まだ十才にもみたなくて

思いつめたようすで
ぎこちなくて
むずがって
それなのに
スピ-ドばかりあって

こんなことしたくないの
ぼくなりの事情があるのって
つぶやいてるみたいに

朝の
おだやかな海沿いの舗装路を
雲ひとつない青空と
潮まじりの微風につつまれて
走っている

ときに鳥たちが行く手に立ちはだかっていると
足をとめて
大きく息を弾ませて

あのうって

話しかけようとするが
愚痴になりそうで
お正月らしい話しはできそうもなくて
まごまごしていると
もう
鳥たちはいっせいに飛び立ってしまう
子どもは空を仰ぐ

その視線に射られて
鳥たちは
ひたいに煌めく汗をめじるしに
子どもを見下ろして

がんばりすぎないで
いいんだよ
ゆっくりゆっくり

そう音の波をとどける

子どもは波に足をとられそうになって
ちょっとバランスを崩して
よろめいて
でも
視線を前に戻して
また走りはじめる

スピ-ドはゆるまない

いつの間にか
岬にむかう坂道を上りつめて
子どもは消えてしまう

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