白い雲

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師走の澄んだ青空にまばらにうかぶ白い雲

雲になじみの影をくわえ
ほんのわずかの慰めをもとめようとしても
実際は
雲は形など持ってはいない
あるいは
どんな形でも持っている

だから
ゆくりなくも
慰めになどなりはしない

その動機にかりだされるのは
想像力ではない
まして理性ではない

くたびれきった体
始まりも終わりもない虚無の
遠くを眺めるまなざし
冷たい風に押し倒されそうになりながら
汗が目に流れこみ
視界を妨げられながら

いわば
狂気こそが
衝動こそが
なりふり構わずに眺め続ける

それでも
おしゃべりが恐い
車のクラクションの音に紛れたヒップホップがおぞましい
太陽がもうひとつの太陽からはなれていって
交錯する光りが怖ろしい
人間的でなくても人間的な石ころや雨だれの
裏側にひそむ恣意に身がすくむ

過去はすっかり生気を失い
輪郭をなくし
肌は灰色になって
ざらついて

現実さえも
つい
息苦しくなって
めまいを覚え
壁にもたれかかりながら

消え入りがちな影にすがり

脳の秘密の場所に行きついて
うめく時間と青ざめた空間を天秤にかける

片方の皿には過去を
記憶のかたまりを
もう片方の皿には現実を
溢れる涙を
それぞれにのせて

量る

それもまた狂気の業といえそうで
永遠に
バランスなんてとれはしない
なんて忌々しい

風に揺らめいて
記憶は転げ落ち
涙は波うちとびちり

天秤すら手を離れ
足もとの水たまりに落下する








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